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生態学入門(第2版)

生態学入門(第2版)
著者 日本生態学会
ジャンル 生物学
出版年月日 2012/04/11
ISBN 9784807907830
判型・ページ数 A5・304ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 生態学とはどんな学問か?-遺伝子から地球環境まで
三つの階層(遺伝子~個体群/異種個体群~生物群集/景観~地球環境へ)を縦断して,生態学の個々の分野が各章とどのように有機的に関連づけられるかを,基礎から応用まで概観する.

第2章 生物界の共通性と多様性
生命の共通特性である自己境界性,自己維持性,自己複製性をベースに,細胞とDNAの共通性を示し,さらに地域ごと見られる膨大な多様性を解き,地球の古環境と歴史にも触れる.

第3章 進化からみた生態
How?とWhy?の二つの疑問をもとに,進化生態学の代表的な事例であるダーウィンフィンチのくちばしへの自然選択,マイマイ等の頻度依存選択と左右性の進化,イチジクとイチジクコバチの共種分化,カワスズメの適応放散などを題材に,自然界の生物を理解する時,進化と生態は両輪である視点の重要性を解く.また,現代進化学のもう一つの大きな理論的支柱である分子進化の中立説と分子時計を解説する.

第4章 生活史の適応進化
生活史進化の適応戦略,繁殖のコスト,r-K選択説,最近重要性が着目されている表現型可塑性,そして有性生殖の進化理論,「進化的に安定な戦略(ESS)」による性比調節の進化などを解説している.

第5章 生理生態的特性の適応戦略
植物は固着生物であるため光をめぐる葉の競争がダイレクトに生理生態的特性に反映される.また,化石燃料の燃焼により二酸化炭素濃度が高まると植物に何が起こるのかも解説している.動物が生活する時の必須要素は水分と温度であり,それらを調節する生理的メカニズムを平易に解説している.さらに,概日リズムにも解説が及ぶ.

第6章 動物の行動と社会
競争関係となわばり,配偶行動と繁殖システム,性選択,そして社会生物学で血縁選択と利他行動の進化を解説する.

第7章 個体間の相互作用と同種・異種の個体群
個体群はなぜ増え続けないのか?トナカイや野ネズミなど,さまざまな密度効果の働き方を解説する.また,異種間の相互作用として,種間競争,食う-食われるの捕食作用,メタ個体群動態,そして個体群のサイクル変動へと進む.寄生と共生は豊富な事例で解説する.

第8章 生物群集とその分布
種間相互作用のネットワークを組上げると見えてくるものは何か?生物群集でのカスケード効果やギルド内捕食から,生物群集の多種共存のメカニズムを解説し,植生遷移からさらに世界と日本のバイオームを解説する.

第9章 生態系の構造と機能
生態系の多様性と生態系機能との相互関連を解き,さらに,地球の生態系ごとに一次生産速度を説明する.IPCC第4次報告書による全地球の炭素循環なども数値付きで見せている.生態系のエネルギー流と生産力ピラミッドについても解説する.

第10章 生態系の保全と地球環境
生態系の人為的変容の全体像をまず見せ,生態系サービスを取り上げ,人為的変容による環境問題(森林伐採,砂漠化,富栄養化,酸性雨,乱獲,外来種侵入など),絶滅リスクとレッドリスト,生物多様性の保全,気候変動,統合的流域管理,順応的管理などを総合的に解説する.また,生物多様性国家戦略と国内法にも言及する.

付録:
分子系統樹をベースに,生物の分類と系統を概括する.原核生物,原生生物,陸上植物,菌類,動物の各界の高次分類を中心に解説する.

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内容説明

生態学の基礎から生物多様性保全や地球環境の応用的問題も含めた現代生態学の総合的入門書.40名もの日本生態学会会員が編集・執筆・査読に関わって完成した.コンパクトながらも(304ページ),生態学の全体像をこの本1冊で体系立てて示したもの.生態学に興味のある学部学生,異分野の研究者、高校生物教師,スーパーサイエンス・ハイスクールの高校生,異分野出身の行政職員,環境NPO職員などに向けた必読書である.進化と生物多様性,生物種間のネットワーク,生態系の構造と動態の三つの視点を基に,わかりやすく説いている.特に,平成24年度から施行の高校生物の新学習指導要領にも沿った内容になっているので,高校生物教師の格好の参考書としても役に立つ.21世紀の地球人として生活していくときに最低限必要な知識が体系立てられて解説されている.

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