物理化学の基礎（アトキンス）

訳者のことばから：数学をほとんど使っていないので，ほかの科目の進行状況を気にしないですみ，使いやすい教科書である．工専や大学の化学を専攻しない学生のために量，質ともに適当で，高校の教官にとっても授業内容を潤色する材料として役に立つと思う．Atkins博士はものの本質を鋭く見抜き，それを最も理解しやすい形で整理してみせる天才的な能力の持ち主で，本書でも，わずか250ページの中に驚くほど多くの内容を，むずかしいという印象を与えることなしに盛込むのに成功している．

主要目次：原子の内部／化合物の内部／分子を調べる：構造の決定法／自由な粒子：気体の性質／固体の内部／物の状態変化／混合物中の物／溶液中のイオン／状態変化に伴うエネルギー：熱化学／化学反応の平衡／自然に起こる変化の方向：熱力学の第二法則／イオンを含む平衡／化学エネルギーと電気エネルギー：電気化学／化学変化の速さ／参考資料：量と式の表示法／問題の解答