アトキンス一般化学　上

訳者のことばから：1970年代から版を重ねる名著“物理化学”で名高いアトキンスが共著者2名と本書を出しました．化学全般というよりは，本格的な“化学の理屈”へ向かう道案内になる本です．レベルとしては，高校化学と大学以上の専門化学をつなぐものといえましょう．１章からは，つぎの肝心な問い二つに答える旅が始まります．1) 原子どうしは，なぜつながり合うのか？　2) ある反応は，なぜその向きに進むのか？　1) は量子論と結合論（ミクロの世界），2) は熱力学と平衡論（マクロの世界）です．あいにくどちらも日本の高校では教えないのですが，化学の“本質”をつかむには欠かせません．簡単な例題と復習問題をたくさん置いた点が，学習上かけがえのない長所でしょう．また，図や写真を多用しています．

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