試し読み
新型コロナワクチン
遺伝子ワクチンによるパンデミックの克服
mRNAワクチンとは? ウイルスベクターワクチンって何?
遺伝子ワクチン開発の草分け研究者が徹底解説
今回の新型コロナウイルス感染症では、2021年2月23日現在、感染者は1億1172万人、死者は247万人に達しています。幸いなことに、遺伝子操作などを駆使して開発されたいわゆる「遺伝子ワクチン」が、これまでにないスピードで開発され、ようやく日本国内でも、2021年2月7日に、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が始まりました。
今のところ世界で接種の始まった遺伝子ワクチンは、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとウイルスベクター(VV)ワクチンですが、いずれもこれまであまり人体に用いられたことのないタイプのものです。開発期間が短かったために、副反応を恐れている方もいるでしょう。しかし、実はこれらワクチン開発の背景には、40年前から積み重ねられてきた基礎研究があります。
本書では、遺伝子ワクチンの仕組みを紹介します。そして、世界保健機関(WHO)の主導による天然痘の根絶など、人類のパンデミック克服の歴史を振り返り、そこからの教訓について考えます。そして、将来人類を襲う可能性のあるパンデミックの備えに対する展望を考えてみたいと思います。
著者まえがきはこちら評者:病理専門医,米国立研究機関博士研究員 峰 宗太郎
第1章 過去のパンデミックの克服と教訓
1.パンデミックとは
2.天然痘の根絶
3.国民病だった結核
4.スペイン風邪
5.家畜の伝染病 牛疫の根絶
6.野生動物の狂犬病
7.エイズ
8.一つの結論
第2章 新型コロナ遺伝子ワクチンの全貌
1.免疫ができるとは
2.これまでのワクチン
(生ワクチン/不活化ワクチン/成分ワクチン)
3.新型コロナ遺伝子ワクチン
・新型コロナウイルスの構造
●メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン
●ウイルスベクター(VV)ワクチン
●遺伝子ワクチンの開発メーカー
●mRNAワクチンとVVワクチンの比較
4.報告されている副反応
(副反応とは/血栓症/アナフィラキシー/抗体依存性感染増強/ワクチン接種のメリットとデメリットのバランス)
第3章 新型コロナ遺伝子ワクチンと免疫
1.免疫によるウイルスの排除
2.遺伝子ワクチンは細胞性免疫を誘導する
3.新型コロナにおける細胞性免疫の重要性
4.B細胞とT細胞でのウイルス認識の違い
5.風邪の免疫が新型コロナでも働く?
6.無症状の人は自然免疫で護られた?
(BCGワクチンと新型コロナ予防に関連はあるのか)
【コラム】おもに細胞性免疫が働くワクチン
第4章 スピーディーな遺伝子ワクチン開発の背景
1.ワクチン材料を合成できる利点
(開発スピード/変異への迅速な対応)
2.製造過程と承認までの流れ
(従来の開発期間は一〇年/一年でワクチンを開発できた理由)
3.最後の関門「国家検定」
【コラム】人チャレンジ治験
第5章 変異株とワクチン
1.新型コロナウイルスの変異株
2.DNAウイルスとRNAウイルス
3.遺伝子変異が激しいRNAウイルス
4.新型コロナウイルスの生存戦略
第6章 ワクチンを補完する薬
1.抗ウイルス薬の歴史
(画期的な抗ヘルペス薬/エイズ患者を救った抗エイズ薬)
2.新型コロナウイルス感染症の治療薬
第7章 動物由来のウイルスとその遺伝子ワクチン
1.動物とヒトとウイルスの関係
2.ヒトに先行した動物のVVワクチン
(ニワトリVVワクチンの商業化/「遺伝子組換え」というハードル/コロナ禍で必要とされた遺伝子ワクチン)
第8章 パンデミックと国家安全保障
1.スペイン風邪における情報操作
2.中国による新型コロナ感染症の隠蔽
3.さまよえるWHO
4.ワクチンと国家の安全保障
5.ワクチンによるバイオテロ対策
【コラム】米国のとった「ワープ・スピード作戦」
おわりに 次のパンデミックへの備え
参考資料
1.パンデミックとは
2.天然痘の根絶
3.国民病だった結核
4.スペイン風邪
5.家畜の伝染病 牛疫の根絶
6.野生動物の狂犬病
7.エイズ
8.一つの結論
第2章 新型コロナ遺伝子ワクチンの全貌
1.免疫ができるとは
2.これまでのワクチン
(生ワクチン/不活化ワクチン/成分ワクチン)
3.新型コロナ遺伝子ワクチン
・新型コロナウイルスの構造
●メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン
●ウイルスベクター(VV)ワクチン
●遺伝子ワクチンの開発メーカー
●mRNAワクチンとVVワクチンの比較
4.報告されている副反応
(副反応とは/血栓症/アナフィラキシー/抗体依存性感染増強/ワクチン接種のメリットとデメリットのバランス)
第3章 新型コロナ遺伝子ワクチンと免疫
1.免疫によるウイルスの排除
2.遺伝子ワクチンは細胞性免疫を誘導する
3.新型コロナにおける細胞性免疫の重要性
4.B細胞とT細胞でのウイルス認識の違い
5.風邪の免疫が新型コロナでも働く?
6.無症状の人は自然免疫で護られた?
(BCGワクチンと新型コロナ予防に関連はあるのか)
【コラム】おもに細胞性免疫が働くワクチン
第4章 スピーディーな遺伝子ワクチン開発の背景
1.ワクチン材料を合成できる利点
(開発スピード/変異への迅速な対応)
2.製造過程と承認までの流れ
(従来の開発期間は一〇年/一年でワクチンを開発できた理由)
3.最後の関門「国家検定」
【コラム】人チャレンジ治験
第5章 変異株とワクチン
1.新型コロナウイルスの変異株
2.DNAウイルスとRNAウイルス
3.遺伝子変異が激しいRNAウイルス
4.新型コロナウイルスの生存戦略
第6章 ワクチンを補完する薬
1.抗ウイルス薬の歴史
(画期的な抗ヘルペス薬/エイズ患者を救った抗エイズ薬)
2.新型コロナウイルス感染症の治療薬
第7章 動物由来のウイルスとその遺伝子ワクチン
1.動物とヒトとウイルスの関係
2.ヒトに先行した動物のVVワクチン
(ニワトリVVワクチンの商業化/「遺伝子組換え」というハードル/コロナ禍で必要とされた遺伝子ワクチン)
第8章 パンデミックと国家安全保障
1.スペイン風邪における情報操作
2.中国による新型コロナ感染症の隠蔽
3.さまよえるWHO
4.ワクチンと国家の安全保障
5.ワクチンによるバイオテロ対策
【コラム】米国のとった「ワープ・スピード作戦」
おわりに 次のパンデミックへの備え
参考資料